この街の日々、



「 東京での春を想いながら 」





























この日々。


車の運転にも随分と慣れ、ここで出会った様々な年齢の人達と「よーし今日も行っちゃうか。」とあっさり誘惑に負け飲みに行ってしまい、
阿武隈川に架かる橋を渡る時には遠く奥羽山脈の空へ目を細め、川を越えて坂道の上にある郡山市立美術館で植田先生の1940年代後半から60年代にかけての写真を見ながら深いため息をつく。


東京生活に比して平和で静かな緩い日々にそれなりに浸かりながらも、終わりが近付き、
夜にくるりを聞きながら少しずつ帰ってからの春を想ってしまう。


おそらく東京に帰ってふぅと一息ついた後は、すぐに新たな環境へ向かう準備をしなければならない。
ただ、会いたいだけなのだ。